サポート校の目的別分類[進路選択]
運営母体が大きいサポート校であれば、いくつかの特性を併せ持っていたりコースによってサポート内容を分別しているところもありますが、大きく分けるとサポート校への入学目的は以下の3つになるでしょう。
①大学進学タイプ
通信制高校、サポート校だからと侮るなかれ!
進学型のサポート校の多くには、大学進学を目的とした授業や支援が多く盛り込まれています。
例えば、「指定校推薦」ってご存知ですか?
端的に説明すると、大学と高等学校の契約のようなもの。
少子化がすすむ昨今、大学と高等学校が連携して新入学枠を事前に確保してしまうシステムです。
「A高等学校さんの生徒は優秀なので、是非うちの大学に推薦してください。基本的に落としません!」
こんなやりとりが実際はたくさんあります。
裏口入学じゃないかって?
そうではありません。
大学からは「優秀な人を推薦してください」と言われますから、この指定校推薦を獲得するためには(大学や学部によって異なりますが)5段階評価中で評定平均(内申点のようなもの)4.2~4.5くらいがおおよそ必要になってきます。
つまり、日頃の学校生活において 定期テストの点数 はもちろんのこと、 出席状況 ・ 授業態度 ・ 提出物 ・ 特別活動(生徒会や部活など) を頑張っておく必要があるわけです。
通信制高校は、とりわけレポートの提出期日や履修登録など「自己管理」が大切となります。
加えて、学校自体が実施する授業のレベルは教科書記述内容と同等...
教科書にもグレードがありますが、通信制高校が使用している教科書はどこも最も簡単なレベルのものになります。
これでは難関大学を目指す!などとは口が裂けても言えません。
そこで!それらの学習内容やリズム、模試の実施や資格検定(英検や数検など持っていると受験で優遇される場合があります)の管理などをすすめて大学進学をスムーズにするのです。
主に進学塾や予備校、家庭教師を運営している企業主体のサポート校に多いです。
②資格取得タイプ
専門学校を運営している企業主体のサポート校に多く見受けられます。
在学中に様々な職業体験や社会経験を積ませて、美容 ・ アニメ ・ 声優 ・ 調理 ・ 演劇 ・ スポーツなどの初等資格(企業や団体が発行しているもので就職時にはほとんど役に立ちません)を取得させます。
そのうえで、自社が運営する専門学校に内部進学をすすめるといったスタイルが主流なようです。
中学生や高校生の皆さんは「アニメが好き!」「声優に興味がある!」ということでそそられる内容だとは思いますが、専門分野というものは一度入ってしまうと変更を利かせづらいというデメリットもあります。
似たような形式の学校で専修学校というものがあります。
こちらは、国に認定された教育施設で初等の専門学校という位置づけになります。
サポート校と同様に単体で高校卒業資格を発行する権限はなく通信制高校との連携が必須です。
どのあたりが専修学校と異なるかというと、専修学校は原則毎日通学するのに対して、サポート校は通信制高校と同じく登校日数を自分の体調や生活スタイルによって選べるというメリットがあります。
これも判断が難しいところで、登校日数を選べるということは結局専門的な勉強は何もせずに卒業しちゃう、なんてことも。
自分に合った学校選び、難しいですね。
③留学タイプ
海外に拠点を置いて、留学をしながら高校卒業資格取得を目指すスタイルです。
英会話教室や留学斡旋を運営している企業主体のサポート校に多いです。
通常、高校生の留学は全日制高校などが連携する姉妹校における交換留学や短期留学が主流です。
一部、留学エージェントなどを通すこともありますがこの場合は本格的な海外留学となるため、万が一途中でしんどくなった時やなんらかの理由があり日本に帰国しなければならなかった時は、再度転学手続き等が必要になります。
海外の高校と日本の高校で実施している教育課程が異なることもあって3年間丸々海外で過ごした場合、大学等で日本に帰国した時に日本のシステムに順応しづらくなることも少なくありません。
サポート校の場合、連携している学校は原則として日本の通信制高校なので「ほとんど登校しなくても卒業が出来る」わけです。
この特性を活かして、3年間のほとんどを海外で過ごし、集中スクーリング時(文部科学省から指示されている年間最低登校時間数があるため)のみ日本に帰国をして「日本の高校の卒業資格」を取得するのです。
とはいえ、3年間を海外で過ごすということは並大抵のことではありません。
当初の計画やイメージと異なって「帰りたい!」と思っても、そう簡単に方向性は修正できませんから。
(実際は、通信制高校・サポート校の所属コースを変更することで調整できる学校もありますが)
よくよく考えて、自己決定してくださいね。
いまや、しっかりと卒業するためにサポートしてもらうのは当たり前な時代。
「不登校だったから」と将来を諦める必要はないのです。
学習のフォローや人間関係のサポートもどこも同じように実践されています(サポート校ごとの特色はあるでしょうが)。
そのため、上記のようなさらなるオプションを打ち出すことが必要になっているわけですね。
実際、見学に行ってみるとサポート校ごとの違いがよくよく分かると思います。
自分にあったところを選んでみてください。
0コメント